2023.11.07
11月1日(水)4歳児クラスが、雲一つない晴天と11月とは思えない暖かい気温に恵まれて、春以来となる笹ヶ瀬川プロジェクトを行いました。「イチゴ(ナワシロイチゴ)食べれるかな?」と春の経験を振り返りつつ、期待を膨らませながら出かけていきました。笹ヶ瀬川では、ナンキンハゼが紅葉し、セイタカアワダチソウが咲き誇り、オギは穂が白くなりかけていました。
早速、ワンダーパワーを使ってオヒシバやメヒシバを採取し、草の感触、匂い等を確かめた後、友達同士で草相撲をして遊びました。「やったー!勝ったー!」「次も勝った!」等と夢中になっていました。そして、自由に散策開始。すぐに虫捕りアミを持って意気揚々と駆けて行く子、足元の草に目を向けて触ったり、匂ったりする子、葉っぱの裏や草陰に隠れている虫をじっくり探す子など思い思いに活動を始める姿が印象的でした。
秋は虫が大きく成長している季節なので、草地を踏めば、ピョンピョンとバッタやキリギリスが跳ね回ったり、チョウ(シジミチョウ、モンシロチョウ、キチョウなど)が元気よく飛び回ったりしていました。男児を中心とした虫捕りアミを持った子たちは、まるでハンターのような目で虫を追いかけ捕獲を試みた結果…たくさんのチョウ、バッタ、イナゴ、キリギリス類、コオロギ、テントウムシなど、さらにはオオカマキリやカナヘビを捕まえることができましたよ。手で優しく持つことができると、虫の命(虫の感触や虫の動きなど)を実感できたり、捕まえた満足感を味わったりしているようでした。捕まえた虫は飼育ケースに入れて皆で観察しました。ケースの中では、カマキリがキリギリスを捕食する光景が…カマキリが力強く食事する姿に子ども達は驚き、昆虫界の食物連鎖を観察を通して感じたようでした。
植物については、木の実(ナンキンハゼ、ノイバラ、ヘクソカズラ)を発見してじっくり見たり、中の種を出してみたりして実とは色が違う種に驚く姿が印象的でした。また、クズのつるは長く、なかなか抜けないので『おおきなかぶ』のお話のように皆で引っ張ったり、採れたつるで綱引きごっこをしたりして遊ぶ姿が見られました。
どの子も時間を忘れて虫捕りや植物を使った遊びを楽しみました。帰りは草地ではなく、川岸の植物の美しさに目を向けて歩きました。ワンダーパワーを使って虫を捕まえたり、植物で遊んだりしたことが秋の笹ヶ瀬川の景色と共に子ども達のセンス・オブ・ワンダーの育ちにつながったのではないかと思います。今後も身近な自然や生命に五感で触れる原体験を通して、動植物の小さな命やそのサイクルを実感し、笹ヶ瀬川の原風景を大切にすることができる人になってほしいなと思います。