2023.04.10
第Ⅰ期卒業児(令和2年3月卒業)を対象にはじまった笹ヶ瀬川プロジェクト2nd(以下、笹プロ)。講師の山田哲弘先生(環境学習センターアスエコ所長)の熱い思いで本日まで継続することができました。そして、実に6年に渡って取り組んできた笹プロも、今回がいよいよ最終回。とはいっても、本来であれば、昨年度末(3年次)で終わっていたがはずが悪天候で延期となり、年度を跨いでようやくの実現となりました。
笹プロをはじめた頃は3歳児クラスだった子ども達も、今や小学4年生、笹ヶ瀬川の自然や楽しみ方、スイバやヨモギ、タンポポやオオイヌノフグリなど、植物のことは勿論、カナヘビやテントウムシなど季節の生き物のこともこれまでの経験の中で知り尽くしています。てっちゃん先生の「生き物探しスタート!」の合図とともに一目散に目的の場所に駆け出していきました。
途中、冷たい雨が降る場面もありましたが、子ども達は大人の心配をよそに思い思いに笹ヶ瀬川の身近な自然を楽しんでいました。その中で、子ども達の行動や会話を見たり聞いていると、驚いたことに園児の頃に習得した生き物の持ち方や植物の特性を捉えた遊び方を3年以上経過した今も感覚として憶えていて、それを取り入れて遊んでいました。
約1時間15分ほど笹ヶ瀬川でたっぷりと遊んだ後は園に帰ってきて皆で発見したものの振り返りをしました。この日子ども達が見つけた生き物たちは実に32種類!子ども達の観察眼と興味・関心の高さには毎回感動します。その後、てっちゃん先生からスペシャルなプレゼント。笹ヶ瀬川で採取した花が閉じて綿になりかけているタンポポを円柱状のケースに入れ、針金で自立させて、その中に乾燥材を入れます。さて、その後花がどうなるかは2日後のお楽しみ♪
最後に、てっちゃん先生から参加した子ども達に向けて、「君たちは今日からミニてっちゃん先生。ワンダーパワーを使って、もっともっと身近な自然を大好きになってね」と6年分の思いのこもった心にぐっとくるメッセージをいただきました。今回の笹プロをとおして、子ども達の心の中の原風景に間違いなく笹ヶ瀬川が息づいていることが伝わり、我々もとても嬉しく思います。
これから彼らが生きる人生には思い通りに行かないことだったり、時には言葉では言い表せない悲しいことがあるかもしれません。そんな時、この原風景が彼らの心の拠り所になったり、次への一歩を踏み出す勇気になったりしてくれれば、保育者としてこれほど嬉しいことはありません。これまで、急な予定変更やご無理をお願いしてきたにも関わらず、いつも子どもファーストでご協力くださった卒業児の保護者の皆様、本当にありがとうございました。この場を借りて心より御礼申し上げます。そしてこれからも親子で楽しい自然体験を!