2022.09.10
この夏子ども達が一番触れて遊んだ虫と言えば『カブトムシ』です。
昨年、成虫が産んだ卵が無事孵り、出てきた成虫や、ご家庭で育てたり、捕まえたりしたものを持って来てくれた子どももいました。
子ども達の中にはカブトムシを持つことができるようになった子、カブトムシが闘うようすに注目した子、カブトムシが綱渡りするようすを喜んで観察した子など、楽しみ方はそれぞれ…どの子も親しみをもって遊んでいました。
ある日、ご家庭からカブトムシを持って来てくださった保護者の方から「(カブトムシが)死んでしまったら家に持って帰らせてください」と依頼があり、ほどなくしてオスが1匹亡くなったので、保護者の方にお返ししました。
数日後、その保護者の方から「先生、子ども達に見せてあげてください」と見事な標本を作って持ってきていただきました。なんと作者は園児のお兄ちゃんで、まんまる園の卒業児です。
これを作った小学生のお兄ちゃんは在園時から生き物が大好きで、捕まえて飼ったり、図鑑をじっくり読み込んだりしていました。数年たった今でも生き物への興味は持続し、『標本をつくりたい』という思いに発展したこと、また、デザインを『木にとまっている姿』と考えたことに、カブトムシが生きている姿を何とか形に遺したいという思いが感じられました。
また、他にも、5歳児クラスで、この夏、家庭で捕まえたり、飼っていたセミやカブトムシなどの昆虫を、死んだ後も破棄せずに親子で標本にして大切に保管している子もいました。形ある作品は時間の経過と共に勿論劣化していきますが、心の記憶は大切な宝物として、いつまでも心に温かい光を照らし続けます。
園で芽生えたセンス・オブ・ワンダーの感性が、家庭の関わりによってさらに輝きを増し、こうした作品づくりにつながったことをとても嬉しく思います。ありがとうございました。