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2022.03.24

土からのモノづくり

5歳児クラスの子ども達は、一年を通じて身近な自然素材を味わう原体験として土粘土を用いた遊びを行ってきました。玉野市在住の陶芸家十河隆史先生を講師にお招きして、夏には粉末状の土に水を加えて練り込む粘土づくりやその土粘土を使ってグループ毎に作品作りを行いました。そして、秋から冬にかけては、個々にイメージしたものを形にする活動を行いました。今回はその作品を野焼きする活動になります。

園庭にコンクリートブロックで囲んだ即席の窯を作り、事前に十河先生に素焼き(割れ防止)をしてもらってテラコッタ色になった粘土を見せてもらうと、子ども達は色の違いに驚き、「色が変わってる!」と不思議がっていました。でも、ここからが本番!

自分の作品を窯の中のもみ殻の上に乗せて、その上に枯れ葉や小枝をのせて着火し、野焼きがスタート。子ども達は『どんな色に変わるのかな?』と想像を膨らませながら炎の中で作品が焼けていくようすをじっと見つめていました。中には煙が高く上がるようすに『とんど祭り』を思い出し、「神様が見てくれていいように焼けるかな?」と言う子もいました。約30分すると木は全て燃えて、灰の中から作品が姿を現すと、「あ、黒くなっとる!」と変化に気づいた子ども達。

窯から出してしばらく冷ました後、子ども達は再び自分の作品とご対面。黒光りした表面を見て「うわぁ!ピカピカだ!」と感動したり、黒とピンクの偶然生まれた色のコントラストに満足げな表情を浮かべたりしていました。

継続的に行ってきた土粘土遊び…今回の卒業記念作品を通して、子ども達は普身近な材料『土粘土』を使って人間の生活に必要な道具ができていくことを実体験を通して知り、また、炎の力によって完成することは新しい気づきに繋がったようです。大きくなってもこの作品を見る度に今回の原体験を思い起こしてほしいなと思います。

因みに、完成した作品はしばらくの間玄関ホールに展示して、年長児クラス以外の子どもや保護者の方にも観ていただき、「かわいい~」「おもしろいね~」という声が多く聞かれました。十河先生、今日に至るまでの準備やご指導、本当にありがとうございました。

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