2021.08.28
8月21日(土)年長クラスの親子で藍染めを行いました。まんまるこども園では毎年の春、夏、秋に季節の草木染めを楽しみ、冬にはその時に染めた毛糸でマフラーやコースターなどの織物を楽しんでいます。
因みに、藍は星の数ほどある植物の中でも青色色素を持つ大変珍しい植物です。そして、この青という色は、地球の色がそうであるように、生き物にとっては特別な色であり、さらに「ジャパン・ブルー」という言葉があるように日本人にはとても身近な色です。余談ですが、藍は、染料の他に薬品やお茶、防腐剤、防虫剤としても重宝され、まさに日本人の生活に欠かせない植物だったといえます。
さぁ、話を染めに戻しましょう。まずはデザインです。親子で絞り(模様)を入れる場所を考えながら作っていきます。ポイントとなる絞りは2種類で、幼児でも理解でき、簡単にできる方法にしています。
絞りが完成したら、園庭に設置した染め場でいよいよ染めていきます。園では毎年倉敷市児島にある高城染工の角南様に染料のインド藍の生成をお願いしています。インド藍は蓼藍と比べて色素成分が多く、鮮やかな青を容易に染めることができます。それと、インド藍は天然染料なので水道に流すこともできることも化学染料にはない大きな利点です。
子ども達はインド藍の独特な匂いにも怯むことなく、約1分間染料にTシャツを浸けてモミモミもんで色素を定着させます。そして、その後親父で空気に触れさせながら酸化を促し、最後に流水でジャバジャバ洗います。
そしてこの工程を繰り返すこと2回、ワクワクしながら絞りを解いてみると、あら不思議!同じ絞りのはずなのに模様はみんな違う。親子で唯一無二のTシャツを作ることができました。にしても、みんないい色!
この日、3年前にこの実践で染めたTシャツ(blogの上から2番目の写真)を染め直しにきた子(卒業児)がいました。色が薄くなったので、また濃くしたいとのことでした。藍染めのもう一つの特長は染め直しが効くことです。染め直したTシャツを着て、気持ちも晴れやかに、楽しい夏の思い出を重ねていってほしいと思います。
合理性だけが重視されるようになった現代において、子どもが自分が身に着けるものを自分で(親子で)作る意義はとても大きいように感じます。「モノを大切にし、愛着をもって最後まで使いきる」幼児期のその心持ちが、やがて人に優しくすることや自分を大切にする心に繋がると思います。参加してくださった皆さん、自分で作った作品をどうか大切に使ってあげてくださいね。