2025.12.18
12月16日(火)、この日は5歳児クラスの子ども達が楽しみにしていた『お菓子の家づくり』を行いました。

今、5歳児クラスの子ども達は園生活の中で音楽会で発表するオペレッタ『ヘンゼルとグレーテル』のお話に親しんだり、登場人物の性格や特徴について話し合ったり、物語に出てくる背景やお菓子の家を皆で制作したりしています。その中から今回の「本物のお菓子の家をつくりたい!」という思いは生まれました。


とはいえ、お菓子の家は子どもは勿論、保育者側も作ったことはなく、例えば「使用する材料(お菓子)は?」「土台の家はどうやったら自立するの?」「三角屋根は?」など、考えれば考えるほど課題は山積みで…。そこで、まずは保育者が童心にかえって自分で作ってみることに…。給食先生にもアイデアを出してもらって試行錯誤を重ね、何とかイメージに近いお菓子の家が完成!早く見せたい気持ちを堪えて、翌日の朝子ども達にお披露目!「本物のお菓子の家だぁ!」とすぐに歓声が上がりました。但し、これはあくまでも試作品であり、それなりに時間も経っているので食べることは叶いません。


「え゛~!(食べれないの~)」と残念がる子ども達に、来週の火曜日(16日)に皆で協力してもっともっと美味しいお菓子の家をつくろうね!と約束をしました。 そして当日、保育室に材料と道具一式を準備して、子ども達も土台Gr・壁Gr・屋根Grの3Gr×2チームに分かれて『お菓子の家づくり』がスタート。


まずは土台Grが食パン(耳なし1斤10枚切りを使用)に生クリームをスプーンを使って丁寧に塗り、パンとパンの間に黄桃(缶詰)や先日作った柿のジャムを挟みました。このGrは完成後には見えない部分をいかに丁寧に仕上げるかが重要になるので、縁の下の力持ち的な資質が問われる気がします。


次に壁Grがその土台(四角い箱)に色々なお菓子を思い思いに飾り付ける作業を行いました。周りの子ども達も我慢できずに「(接着剤の)生クリームはここに付けて!」「窓もいるよ!」「カラフルなチョコいっぱい付けて!」と、思い思いにアイデア(指示?)を出して皆でデザインを楽しみながら作っていきました。このGrはデザイン力や色彩感覚が最も問われる気がします。

最後に、屋根Grは土台(四角い箱)に三角屋根をつける作業を行いました。実はこの作業が一番難解で、子ども達はどうやったら四角い箱の上に三角屋根が付くのか、どうやったら屋根が自立するのかを考えながら、崩れたり思い通りにいかなかったりを繰り返して、どうにかこうにか屋根が完成!このGrはズバリ!科学的な発想と忍耐が問われる気がします。



そうしてようやく完成した2棟のお菓子の家。並べてみると材料と工程は全く同じなのに2つの作品は全く違うモノに…。完成したお菓子の家を皆で見ながら、子ども達に感想を聞いていくと、「難しかったけど楽しかった」「魔女が出てきそう」など、ブログに書ききれない程の沢山の感想が聞かれ、この活動に対する子ども達の満足感や充実感が伝わってきました。

給食の後いよいよ実食。せっかくの家が崩れてしまって悲しむかも…と一瞬思いましたが、そんな心配は一切お構いナシ!好きなお菓子を選んで取り分けたお菓子の家をパクパクとあっという間に平らげ大満足の子ども達でした(中でもレインボーマシュマロが一番人気)。
『ヘンゼルとグレーテル』のお話を起点にはじまった『本物』のお菓子の家づくり。子どもが中心となって、子どもらしい甘~い食育体験が実を結び、益々オペレッタへの気持ちやクラスの仲間意識も今回の共同作業を通じて深まったように思います。

あと半月で今年も終わります。子ども達の『やってみたい!』をこれからもしっかりと受け止め、共感しながら、年末年始を丁寧に温かく過ごしていきたいと思います。