2024.03.14
異年齢児クラスで笹ヶ瀬川を散策する『笹ヶ瀬川プロジェクトmix』。5歳児と3歳児で出かけるのは今年度最後です。5歳児は、3歳児クラスの時から季節ごとに自然散策を行ってきた笹ヶ瀬川の土手を年少児と一緒に散策しながら、その面白さや不思議さを伝えたり、分かち合ったりすることを楽しみに3歳と5歳でペアになって出かけました。
春の訪れが感じられる3月8日。笹ヶ瀬川に到着すると冬の間は見られなかったお花の美しい色が見られました。今回はペアで散策を楽しむためのツールとして「はっけんビンゴカード」を職員で用意していたので、それを持って散策スタート!カードのお題にはもちろん『ワンダーパワー(五感+心)』を使わないと見つけられないものばかり。甘い蜜のお花(ホトケノザ)は5歳児が「これだよ。」と教えてあげて「あまいね!」と味わっていました。また鼻を使ってお花や草を匂ってみたり、葉っぱの音を聞いてみたり、手触りで『チクチク』『つるつる』『ざらざら』などを感じたりしながら、あっという間に春をたくさん見つけてビンゴを完成させていました。
この日はプロジェクトの直前まで雨がぱらついて心配しましたが、子ども達の願いも通じて日が差し、子ども達の大好きな虫も姿を現してくれました。最もたくさん見つけたのはテントウムシ。捕まえては手の上を歩かせてあげたり、友達見せてあげたり、触って遊んだりしていました。
他にもクモやモンシロチョウ、ダンゴムシ、オオカマキリの卵、ナメクジ、そしてカナヘビも捕まえました。カナヘビは出没ポイントをみんなよく知っており、草をかき分けて捕獲!この日カナヘビを唯一捕まえたのはなんと3歳児クラスの男の子。5歳児の子ども達もこれには感服。自然散策は上の学年から下の学年に伝えるという一方向の交流ではなく、相互方向の伝え合いができてお互いにとても刺激になっています。
子ども達ならではの発見もたくさんあり、面白い形の枝や花や葉っぱなどで遊んだり、草原に気持ちよさそうに寝転んだり、ノビルという小さなタマネギのような形の植物を匂ったり(タマネギやニラのようなにおいがします)、クズのつるを綱引きのように引っ張って遊んだりして楽しみました。
プロジェクト終了後は、5歳児が「はっけんビンゴカード」に自分とペアの3歳児の子の名前とその子へのメッセージを絵と字で書いて、昼食後にプレゼント。3歳児の子ども達はとても喜んでじっくりと見ていました。3歳児はより5歳児への憧れの気持ちが強くなったようでした。
今度は3歳児の子ども達が皆で話し合って、5歳児に絵や字でメッセージを描きました。皆で5歳児クラスの部屋に入って「ありがとう!」とメッセージをプレゼント。すると今度は5歳児がお礼に歌をプレゼントしてくれました。どちらのクラスのプレゼントもお互いに気持ちがとても伝わり、見ているこちらも胸が温かくなりました。
今回の笹ヶ瀬川プロジェクトmixで、5歳児は園目標にある「年下の子のために仕事をする」ことを自然に行っており、3歳児が5歳児への憧れを抱くことにつながりました。その後、互いの感謝の気持ちをメッセージや歌などで自然に伝え合い、クラスを越えた絆が一層深まり、とても嬉しく感じます。これは進級・就学を控えた子ども達の心の育ちとこれまでの異年齢での関わりの蓄積が大きいのかなと感じています。何事も一朝一夕にはいきませんが、笹ヶ瀬川を愛するバトンがこうしてつながっていくことを嬉しく感じています。