2023.08.02
毎朝早くから園の周辺では元気にセミが鳴いています。登園時、子ども達が園の門を入るとすぐ、保護者の方と一緒に木にとまっているセミを探す姿が見られています。また、保育の中では、3歳以上児クラスを中心に、涼しい時間をねらって園内でセミ捕りをして遊んでいます。
この日、5歳児クラスの子どもたちは、セミだけでなく抜け殻探しに公園へ行きました。早速高い木の葉っぱについた抜け殻を発見! 「あんなところにつかまってる!」 「高いところでセミになるんだねぇ」と子どもたちはセミに感心した様子でした。
保育者がセミの幼虫がどこに住んでいるかを子どもたちに尋ねると、「土の中!」と絵本や図鑑で得た知識から知っている子が多くいました。そこで、皆で地面を見てみると…「あっ!穴があった!」「こっちにもあった!」とたくさんのセミの幼虫が出てきた穴をすぐに発見することができました。「どのくらい深いんだろう?」と指を入れてみる姿や、「本当に出てきたのかな?確かめてみよう!」と言って抜け殻を穴に入れてみる姿が見られました。抜け殻を穴に入れてみると…「本当だ!入った!」「こうやって出てきたんだ!」と驚き感動した様子でした。5歳児ならではの想像力や思考力の育ちが見られ、保育者も驚かされました。
その後、抜け殻探しやセミ捕りを始めると、短時間でもあっという間にたくさんの抜け殻やクマゼミを捕まえることができてとても嬉しそうな子どもたちでした。
次の日。『どうやって幼虫から殻を脱いで成虫になるんだろう?』と、セミの羽化について興味や関心をもった子どもたちに、セミの羽化の映像を見てもらうことにしました。でもその前に、【セミの幼虫になったつもりでセミになって出てみよう!】というセミの羽化体験を何名かにしてもらいました。背中に切れ目の入った服を使いどうやって切れ目から全身を出すか考えながら体験してもらいました。セミになりきって机などにつかまって脱ごうとしたり、体をうまく使って頭を一番に出したりする姿が見られました。見ている友達も「がんばれ!」と興奮しながら応援する姿がありました。
では、実際はどうなの?ということで、本物のセミの羽化を視聴しました。見ながら気づいたことや感じたことを声に出してくれました。
セミの幼虫が木を登っていく時は、「足を刺して登ってる!」
羽化が始まり背中が割れてくると、「背中が緑色に光ってる!」「どんどん膨らんでる!」
頭が出てくると、「頭が出てきた!」「頭が2本になってる!おんぶしている!(殻と成虫の頭が重なっているように見えるため)」
羽が広がってくると、「羽が広がってきた!」と思わずセミが羽を伸ばしていく姿を真似をしていました。
そして、セミがお尻の先のみを残してほぼ体を全て出してエビ反りのような姿勢になると、それを真似てみるも、「苦しいよ」と感じ、セミが羽化する大変さに共感するような姿がありました。
全身が殻から出て羽の形が分かるようになると、「(羽が)透明だ!」「下は白いね」と気づき、「羽を乾かしてるね!」といよいよ飛び立つのを楽しみにするような声が聞かれました。
子どもたちにとってセミの羽化の映像は、絵本や図鑑で見ていたよりも、とても驚きや不思議が多く、神秘的に感じられたのではないかと思います。今回はクマゼミの羽化を見たのですが、他のセミの羽化も見れるとさらに興味や関心が深まるのではないかと思います。
セミが羽化をするのは日が沈んでからになるので、子どもだけでは見ることができませんが、お休みの日などに樹木の周りを探して、実際のセミの羽化を観察してみると、子どもも大人も夏の感動体験ができるかもしれませんよ。