2022.07.15
年長児クラスでは夏ならではの感動体験として、親子で夜にセミが羽化をするところを観察することを計画していましたが、感染拡大のために中止することになりました。そこで、子ども達に身近な生き物であるセミの羽化の神秘的な姿や、セミの一生について興味をもってもらいたいと考え、以下のような取り組みを行いまいました。
まず、セミの一生について知ってもらうため、『うまれたよ!セミ』という絵本を読み聞かせしました。子ども達はセミの卵が木で孵化して土の中に入ることや幼虫が土の中で長い年月をかけて少しずつ大きくなること、また成虫になるには土から出てゆっくりと木などに登って夜の間に羽化することなど初めて知ったことがたくさんあったようです。
次に、セミの羽化を体験してみよう!ということで 、特製のセミなりきりTシャツ(背中に切り込みを入れセミの殻を再現したもの)を着てみて、自分だったらどういう風に殻から出てくるかを実際に体験してみました。体験した子に感想を聞くと「脱ぐのが難しい」「大変だった」「楽しかった」など羽化の難しさや面白さを実感したようでした。
そして、いよいよメインのセミが羽化するようすを収めた動画を視聴しました。まず、セミの幼虫が歩くようすに「動いてる!」と驚き、「ゆっくりだね」「どこまで登るのかな?」と小さな体でゆっくりと歩いて木を上っていくセミの姿を応援したり、その姿を真似たりしていました。
羽化が始まり モコモコした 背中が見えてくると「シュークリームみたい」と喩える子がおり、他の子も「ほんとだ!」と共感していました。「羽はどこから出てくるんだろう?」と不思議に思っていると「あ!羽がしわしわだ!」と最初は伸びていないことに気付いたり、「口のストローがある!」と気付いたりしました。「(羽が)緑色に光ってる!」とその美しい色に感動する子もいました。体が羽までが殻から出るとセミの体はエビ反状態で殻につかまり子ども達は大興奮!「誰かが足を持ってないと(落ちる)」「絶対落ちるよ!」と声が出たり、その印象的なシーンを二人で全力で真似る子もいましたよ。
最後まで羽化のようすを見届けると、長い時間かけて成虫になるセミへの愛着がより一層大きくなったようでした。その日の午後、園庭の桜の木へ行ってみるとなんと葉っぱに一つセミの抜け殻が!そしてすぐさま「あ!ここに穴がある!」「ここから出てきたんだね!」と穴を発見。また、成虫も捕まえることができていましたよ。絵本や映像から学んだことを実際に体験したり、発見したりすることで、子ども達のセミへの興味や関心はより深まったのではないかと感じます。