2022.05.14
12日(木)天候はあいにくの雨でしたが、年長児のクラスでタマネギの皮を使った季節(春)の草木染めをしました。
まずは『絞り』の工程です。今回はビー玉と輪ゴムを使って子ども達が各々にデザインを考えました。上の写真からもわかるように大きさや配置どれもバラバラでそれぞれの個性が光っています。
次は、会場をアトリエに移して『染め』の工程です。夏の藍染め以外は、着色にどうしても高い温度が必要になるため、火を使用します。そこで園では染めの工程については安全の観点から保育教諭が主となって活動を進めています。
最初に子ども達が家庭から持ち寄ったタマネギの皮を鍋から溢れんばかりに投入し、グツグツと煮込みます。最初はパリパリだった皮がしんなりしてきて、アトリエ中に必ず嗅いだことのあるいい匂いが…。煮込むこと10分、赤茶色の染料が完成したところでハンカチを投入。さらに10分煮込みます。
煮込んだ後は媒染液(ミョウバン)の中にハンカチを約15分間浸けて、色の定着と発色を促します。赤茶色のハンカチが媒染材に浸けることによって目の前で美しい黄色に変化する不思議さに子ども達もビックリ!「うわぁ!」「なんで?」「キレイ…」と驚きの声があがりました。絞りを解いた後はていねいに水洗いをして、テラスに干しました。
草木染めは本来、化学染料が普及する前、農耕民族であった日本人の生活の楽しみとして、また、防虫や繊維を強くするためにも広く用いられていたそうです。そして、草木染めに用いる植物は染料以外にも薬草やお茶としても重宝されました。我々が普段あたり前のように目にしている植物は可能性の宝庫であり、その色は化学染料とは違った『やさしい色』。これからも季節の草木染めをとおして子ども達に植物の神秘さや不思議さ、自然の色の美しさを伝えていきたいと思います。