2025.05.10
5月8日は5月の誕生会を行いました。本園ではコロナ以降、3歳未満児と3歳以上児で時間を分けて2部制で行っています。その中の職員からのプレゼントとして数年前から継続して行っているのが朗読劇。朗読劇は、役者が台本を読みながら声だけで演じる舞台芸術の一つで、園で行う場合には音響も最小限また照明もないので、保育者はまさしく声と顔の表情、小さな身振りと手振りだけで子どもに感情や情景を伝える技術が必要です。
また、朗読劇は朝~夕方まで子どもが在園する保育施設で実践する上で大きなメリットがあります。例えば、役者は本番中も台本を持って演じるので練習がさほど必要ありません。また、劇はほぼ椅子に座って行うのでスペースは広くなくても出来るし、これといった準備(衣裳や小道具)もさほど必要ありません。但し、あくまでも保育施設の幼児が対象なので、伝え易さを考慮して作品によっては小道具を作ったり、少しだけ動きを入れたりすることはあります。
そして、本園の朗読劇は年間計画に基づいてはじめは親しみやすい題材から子どもの実態に合わせて徐々に作品の難易度を上げていくように編成しています。因みに1回目は『ぐりとぐら』。題材は料理好きな2匹の野ねずみのぐりとぐらが森の中を探検していると大きな卵を発見して…というお馴染みの絵本です。
劇中の子ども達(3歳以上児)は、目と耳と心のワンダーパワーを駆使して絵本の世界に没入し、まるで目の前でぐりとぐらがやりとりを楽しんでいるかのよう…。時間的には10分にも満たない作品ですが、子ども達は物語の世界を楽しみ大満足の誕生会となりました。
如何でしたか。朗読劇は園にある絵本を題材として、手軽にはじめることが出来、子ども達に『聞くことからイメージの世界を広げる』大切さや面白さを朗読をとおして伝えることができる魅力的な実践方法です。また、シンプルが故に保育者は声の表現をとおして子どもと心を通わせることができるので、本番の感動はきっと大きな自信とやりがいに繋がると思います。ぜひ、興味のある方は試してみてくださいね。